特殊な行列をまとめる(逆行列・正則行列など)
なんか名前の付いている行列をまとめてみます。
正直、よくわからなくなるので、まとめます。
名前の付いている行列
正方行列
n行n列の行列
行数と列数が等しい行列のことです。
行列の(i,i)成分のことを対角成分という。
$$\begin{eqnarray}
A = \left(
\begin{array}{cccc}
a_{ 11 } & a_{ 12 } & \ldots & a_{ 1n } \\
a_{ 21 } & a_{ 22 } & \ldots & a_{ 2n } \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_{ n1 } & a_{ n2 } & \ldots & a_{ nn }
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}$$
対角行列
正方行列で、特に対角成分以外が全て0であるものを対角行列という。
\begin{eqnarray}
\begin{pmatrix}
\lambda_1 & & & & 0 \\
& \lambda_2 & & & \\
& & \ddots & & \\
& & & \lambda_n-1 & \\
0 & & & & \lambda_n
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}
対角行列は、次にようにも表される。
$$diag(\lambda_1,\ldots, \lambda_n)$$
単位行列
対角行列の中で、対角成分が全て1のものを単位行列という。
\begin{eqnarray}
\begin{pmatrix}
1 & & & & 0 \\
& 1 & & & \\
& & \ddots & & \\
& & & 1 & \\
0 & & & & 1
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}
単位行列Iに対して
$$AI = IA = A$$
という性質がある。
逆行列
$$AX = I$$
上式を満たす、Xがあれば、Xは逆行列と呼ぶ。
Aの逆行列は、\(A^{-1}\)と表す。
$$AA^{-1} = A_{-1}A = I$$
正則行列
逆行列が存在する正方行列を、正則行列と呼ぶ。
存在しない正方行列を、非正則行列と呼ぶ。
対称行列
\(A^T = A\)を満たす正方行列Aを対称行列と呼ぶ。
実数値対称行列
対称行列の固有値は必ず実数であること
対称行列は直行行列を使って、対角化ができる。
対称行列Aについて
\(U^{-1}AU = U^TAU\)が対称行列となるような直行行列Uが存在する。
半正定値
n次の対称行列Aが半正定値であるとは、任意のベクトルxについて
$$x^TAx \geq 0$$
が成り立つ
Aが半正定値であるための条件は、Aの固有値が全て0以上であること
正定値
$$x^TAx \gt 0$$
半負定値
$$x^TAx \leq 0$$
負定値
$$x^TAx \lt 0$$
直行行列
正方行列Uに対して
\(U^TU = I\)を満たす行列を直行行列という。
$$U^{-1} = U^T$$