多重比較補正-多重比較の問題への対処-

統計学




多重比較の問題

検定回数を増やすと、検定全体としての第1種の誤り(Type I error)が起こる確率が高くなる問題。

FWER(FamilyWise Error Rate)は、検定全体で少なくとも1回はType Ⅰ errorが起こる確率のこと。

有意水準\(\alpha\)の下で、検定をn回繰り返した時のFWERは以下のようになっている。
$$
FWER = 1 – (1 – \alpha)^n
$$

下の図から分かるように、検定回数を増やすと、FWERが高くなる。
例えば、\(\alpha=0.05 n=50\)では、FWERが0.92となる。
ほぼ、Type Ⅰ errorが起こっていると考えられる。

2種類の誤り

第1種の誤り(Type Ⅰ error)

第1種の誤り(Type Ⅰ error)とは、実際には、\(H_0\)が正しいにも関わらず、\(H_0\)を棄却してしまう誤り
Type Ⅰ errorの確率は、\(\alpha\)で表される。

第2種の誤り(TypeⅡerror)

第2種の誤り(TypeⅡerror)とは、実際には、\(H_0\)が誤っているにも関わらず、\(H_0\)を採択してしまう誤り
Type Ⅱ errorの確率は、\( 1 – \beta\)で表される。

\(\beta\)は、\(H_0\)を棄却する確率で、検出力である。

FWER (Family Wise Error Rate)による制御

p値に基づいた、Bonferroni法は、保守的で厳しい補正手法として知られる。

統計量に基づいた方法

  1. Fisher’s LSD
  2. Tukey’s HSD
  3. Dunnet

p値に基づいた方法

  1. Bonferroni法
  2. Holm法

FDR (False Discovery Rate)による制御

  1. Benjamini-Hochberg法

参考

  1. Benjamini-Hochberg 法https://stats.biopapyrus.jp/stats/fdr-bh.html
  2. http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/clinicaljournalclub1.html
  3. https://www.jstor.org/stable/2346101
  4. https://www.gs.washington.edu/academics/courses/akey/56008/lecture/lecture10.pdf
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