fMRI 脳機能画像解析の大まかな流れ
- 位置補正 (realignment)
- 標準化 (normalisation)
- 平滑化 (smoothing)
- 一般線形モデル (general linear model)
- 統計的推論 (statistical interface)
前処理
脳画像の前処理の目的
- 信号対雑音比の向上
- グループ解析やデータ間の比較を可能にする
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位置補正
計測中に頭が動くので、その動きによるノイズの除去を目的とした補正である。
頭のズレは、左右(x)、前後(y)、上下(z)方向、pitch(頷く・見上げるの回転方向)、yaw(左右を見る回転方向)、roll(首を傾げる回転方向)の6方向の偏位を求める。
このズレは、アフィン変換で記述できる。
基本的に最初に撮像したボリュームに合わせるように、2番目以降(TR)の各撮像画像に対してアフィン変換を行い、頭の動きによる雑音を除去する。
標準化
すべての人の脳は、他の人の脳とは少し異なります。脳の大きさと形状は異なります。
各被験者のデータを標準脳に合わせて大きさと形を同じにして、同じ座標のボクセル同士が対応できるようにする。
アフィン変換と離散コサイン変換など
平滑化
雑音の多いfMRIデータにガウスフィルターを適応する。
fMRIデータは雑音が多い上に、標準化でさらに雑音が混入する。それらの雑音を除去するために、平滑化を行う。SPMでは、ガウスフィルターによる平滑化が行われる。この平滑化では、ガウス分布と各データを畳み込むことで、データを平滑化する。
平滑化の度合いは、半値幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)で指定される。これは、最大値の半分の位置でのガウス分布の幅を表している。
つまり、ガウス分布の標準偏差(σ)を指定することになる。
平滑化の手順
平滑化に用いるガウス分布の半値幅を指定する
作成したガウス分布の平均の位置を求めて、ボクセルの位置に合わせる
ガウス分布とボクセルデータを掛け合わせる
2.と3.を繰り返す
モデル選択と推定
一般線形モデル
各ボクセルごとにfMRIデータが得られる。このデータは、時系列データである。
各ボクセルごとに統計的処理を行う。
実験課題を行なっている(タスク)と、行なっていない(レスト)のfMRIデータの差を取るのが最も簡単である。しかし、これだけでは、雑音が付加されて、正しい賦活部分が得られない場合がある。そこで、統計的処理が必要になる。
SPMでは、賦活を推定するためのモデルを仮定し、fMRIデータからそのモデルのパラメータを推定する。
fMRIの場合
y(被説明変数)は、fMRIのデータ
x(説明変数)は、課題のON/OFFつまり、タスクとレストになるが、これを1/0で表現する
βは、回帰係数
実際に観察されたfMRIデータとの差が最小となるように線形しきの係数を求め、統計的検定を行う。
統計的推論
各ボクセルを標本データとしてボクセルの補正を行う。